お知らせ

2020年5月から、セカンドライフの情報は仮想生活ガイドというサイトにまとめていくように変更しました。
天使になりたくてのこれまでの情報は今後も過去ログとして残しておきますけれど、新しい情報は仮想生活ガイドをご覧ください^^

2016年12月31日土曜日

今年もお世話になりました

今年は、RLもSLも多忙な日々が続いちゃって、なかなか落ち着けませんでした><

来年こそは、ゆったりまったりしたいですねー。

来年は、素敵な日々がたくさん訪れますように。


今年も本当にお世話になりました。
来年もよろしくお願いいたします。
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2016年12月24日土曜日

誰でもカンタン!パーティクルの作り方

この記事は、「セカンドライフ技術系 Advent Calendar 2016」の記事です。

去年に引き続き、今年も「セカンドライフ技術系 Advent Calendar」に参加させていただきました。

去年は、“これぞ技術系!”という感じのディープな内容をご紹介していたんですけれど、今年はその逆で、

シンプル!
カンタン!
ベンリ!

という内容をご紹介しようと思います^^


みなさんは、パーティクルってご存知ですか?

パーティクルはコンピュータグラフィックスの技法の一つで、たくさんの粒子に意図した動きをさせることで、シンプルな一枚絵のアニメーションでは表現出来ない、複雑な動きをもった表現を行なうことが出来るようにするものです。

パーティクル・システム - Wikipedia

炎や爆発、煙、火花、雲、霧、水の流れなどの、ゲームのエフェクトでよく使われている技法です。

セカンドライフでも、同様の場面で使用されています。

パーティクルで表現された、雲やハートマーク

パーティクルは見た目が派手なことが多いですので、一度は

わたしも作ってみたい!

と思われたことがあるかもしれません。

でも、実際に作ろうとするとそこには、

スクリプト

という大きな大きな壁が立ちはだかります。

LlParticleSystem/ja - Second Life Wiki

そう、セカンドライフのパーティクルは、スクリプトで作る必要があるのです><

スクリプトはちょっと…

という方にとっては、ここで

終了!

となってしまいます。


でも、魅力的な機能であるパーティクルが、スクリプトが出来ないと全く作れないというのは、悲しいですよね。

そういう風に思われた方はビュアーを作られている方の中にもいらっしゃったみたいで、そんな方々が、ビュアーに素敵な機能を用意してくれました。

それが、

パーティクルエディタ

です!


2016 年 12 月 24 日現在、パーティクルエディタは下記のビュアーにあります。

Firestorm では、2012 年 2 月に公開されたバージョン 3.3.0 でパーティクルエディタが導入されました。

firestorm_maintenance_release_3.3.0_change_log [Phoenix Firestorm Project - Wiki]

Firestorm では、実は 4 年以上前からある機能です。

Alchemy にも、2015 年 6 月に公開されたバージョン 3.8.0 で導入されました。
Alchemy Beta 3.8.0.35816 - Alchemy Viewer - Wiki

Alchemy に付属のスクリプトエディタも、機能は Firestorm の物と同等です。

ただ Alchemy の方は、ユーザーインターフェースがキレイに整理されていて洗練されていますので、分かりやすさという意味ではこちらの方がお勧めです^^


パーティクルエディタは、残念ながら公式ビュアーではサポートされていません。

パーティクルエディタを使ってみたいと思われた方は、サードパーティー製ビュアーの Firestorm または Alchemy を使用してみてください。

(Alchemy のパーティクルエディタのソースコードを公式ビュアーに寄贈するという話はありますので、将来的には公式ビュアーでもサポートされる可能性はあります)


今回は、利用者が多い Firestorm のパーティクルエディタの使い方を紹介します^^

particle_editor [Phoenix Firestorm Project - Wiki]

Firestorm のパーティクルエディタは、下記の手順で開くことが出来ます。
  1. プリムを新規作成する。既存のプリムにパーティクルを追加したい場合は、そのプリムを Rez する。
  2. プリムを編集状態にする。
  3. 制作メニューの「オブジェクト」から、「パーティクルを編集」を選択する。

パーティクルエディタでは、パーティクル用に用意された様々なパラメータを変更することで、自分好みのパーティクルを作成することが出来ます。

パーティクルエディタが開くと、プリムからパーティクルが発生します。


これは、パーティクルエディタの設定内容が、リアルタイムに反映している状態です。
この状態でパーティクルエディタの内容を変更すると、その設定がリアルタイムに表示されます。


スクリプトを記述して、スクリプトファイルに保存して…という手順は、一切不用です。

スクリプトを書かなくても、パーティクルが作成出来ちゃいます!

ただしこの状態は、パーティクルエディタが動いているビュアー上だけの疑似的なものです。
他の人からは、そのパーティクルは見ることは出来ません。

実際のインワールドのオブジェクトに反映させるためには、エディタで作成した内容を“スクリプトファイル”の形でプリムの中に入れてあげる必要があります。

パーティクルエディタで作成した内容は、エディタ内の「Inject」ボタンを押すと、編集中のオブジェクトの中にパーティクルの仕組みが記述されたスクリプトファイルの形で直接出力されます。




たったこれだけで、インワールドで動くパーティクルが作成出来ます!

「スクリプトは全く分からない」という方も安心の、カンタン操作です。
これなら、誰でも出来ますよね^^


またパーティクルエディタでは、「Copy」ボタンを押すと、スクリプトファイルに書き出される内容を OS のクリップボードにコピーすることが出来ます。

こちらの方法を使うと、パーティクルエディタで作成した内容を、自分のスクリプトに組み込んで使うということも出来ます。

スクリプトだけでパーティクルを試行錯誤して作るのは大変ですので、スクリプトが分かる方も、パーティクルエディタを活用されると手間が省けていいと思います^^


パーティクルエディタを使った大まかなパーティクルの作り方は、分かりました。
では次に、パーティクルエディタで出来ることを見ていきましょう。

パーティクルは、「エミッター」と呼ばれる“発生源”から発生します。

セカンドライフでのパーティクルのエミッターは、パーティクルのスクリプトが入ったプリムにあります。

エミッターは、スクリプトにあるパーティクルシステムで設定された内容に基づいて、パーティクルを発生させます。

放出されたパーティクルがどんな状態なのか、それがどう変化していくのかを、パーティクルシステムの各パラメータで設定していきます。

セカンドライフでは、パーティクルシステムの設定はスクリプトでのみ行なうことが出来ますが、パーティクルエディタを使うことでその設定を GUI の形式で行なうことが出来ます。

各パラメータは、下記の通りです。


パーティクルの放出パターン(Pattern)

Explode球状
Angle球状、半球状、円錐状、またはリング状
Angle Cone円状、半円状、弧または放射状
Angle Cone Empty(未実装)
Drop初速なし


パーティクルの見た目や動きの設定


Burst Rateパーティクルの放出間隔
Burst Count一回の放出で発生するパーティクルの数
Angle Beginパーティクルが発生しない範囲(開始)
Angle Endパーティクルが発生しない範囲(終了)
Source Max Age放出持続時間
Particle Max Age表示持続時間
Start Glow出現時のグローの値
End Glow消滅時のグローの値
Scale Start出現時のサイズ
Scale End消滅時のサイズ
Target Key移動目標(オブジェクト、プリム、アバター)
Acceleration放出時の加速度
Omegaエミッタの回転速度
Textureテクスチャー
Burst Radiusパーティクルの発生範囲
Burst Speed Min出現時の初速の最小値
Burst Speed Max出現時の初速の最大値
Start Alpha出現時の透明度
End Alpha消滅時の透明度
Start Color出現時の色
End Color消滅する際の色

パーティクルの合成方法(ブレンドモード)


ソース 1
(デフォルトは Blend Src Alpha)
Blend One
Blend Zero
Blend Dest Color
Blend Src Color
Blend 1 - Dest Color
Blend 1 - Sec Color
Blend Src Alpha

ソース 2
(デフォルトは Blend 1 - Src Alpha)
Blend One
Blend Zero
Blend Dest Color
Blend Src Color
Blend 1 - Dest Color
Blend 1 - Sec Color
Blend Src Alpha
Blend 1 - Src Alpha

ブレンドモードは、OpenGLに直接作用します。


パーティクルの振る舞いを設定するフラグ


BounceSIMのZ座標平面で跳ね返る
Emissive明るさ全開
Follow Sourceエミッターに連動して移動する
Follow Velocity放出方向に合わせてパーティクルを回転させる
Interpolate ColorStart ColorからEnd Colorへ変化する
Interpolate ScaleScale StartからScale Endへ変化する
Target Position移動目標となるTarget Keyへ向かうようになる
Target Linear移動目標となるTarget Keyへ直線的に向かうようになる
Wind風の影響を受ける
Ribbonリボンのように繋がった状態のパーティクルを描画します

パーティクルの出力


Copyクリップボードにスクリプトをコピー
Injectスクリプトをプリムに埋め込み(スクリプトファイル作成)


パラメータは、LSL の llParticleSystem で設定出来る内容と同じです。

これらを駆使することで、様々なパーティクルを作ることが出来ます。


炎のようなパーティクルも、たったこれだけの手順で出来ちゃいます。


他のオブジェクトに飛んでいくパーティクルも、簡単に出来ます^^

スクリプトで書かないと実現出来なかった内容が、パーティクルエディタを使うことで、スクリプトを書かないで実現することが出来ます。

いかがですか?

パーティクルエディタ、すごくいいですよね。
パーティクルを作ってみたい方は、ぜひ活用してみてください^^
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2016年12月20日火曜日

セカンドライフビュアー Bento 対応状況(2016 年 12 月 20 日版)

サードパーティー製ビュアー「Kokua」が、バージョン 5.0.0 で Bento に対応しました。

各ビュアーでの Bento 対応状況は、下記の通りです。

公式ビュアー5.0.0 で対応
Firestorm5.0.1 で対応
Black Dragon
CatznipR11 で対応
Kokua5.0.0 で対応
Cool VLv1.26.20 で対応
Restrained Love2.9.21 で対応
RadegastCinder さん版では 2.21 で対応済み
Alchemy×
UKanDo×
Singularity×
Lumiya×
2016 年 12 月 20 日現在

Bento については、詳しくは下記のページをご覧ください^^

天使になりたくて: セカンドライフ公式ビュアー バージョン 5.0.0 が公開されました
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2016年12月18日日曜日

セカンドライフビュアー Bento 対応状況(2016 年 12 月 18 日版)

サードパーティー製ビュアー「Restrained Love」が、バージョン 2.9.1 で Bento に対応しました。

また Radegast も、公式バージョンはまだ未対応ですが、現在中心になって開発を行なっていらっしゃいます Cinder Roxley さん版では、バージョン 2.21 で Bento に対応しました。

公式ビュアー5.0.0 で対応
Firestorm5.0.1 で対応
Black Dragon
CatznipR11 で対応
Cool VLv1.26.20 で対応
Restrained Love2.9.21 で対応
RadegastCinder さん版では 2.21 で対応済み
Alchemy×
UKanDo×
Kokua×
Singularity×
Lumiya×
2016 年 12 月 18 日現在

Bento については、詳しくは下記のページをご覧ください^^

天使になりたくて: セカンドライフ公式ビュアー バージョン 5.0.0 が公開されました
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2016年12月16日金曜日

「Bento」のオフィスアワーが「Content Creation」にリニューアルしました

セカンドライフでは、リンデンさんと住人の交流の場として「オフィスアワー」が行われています。

Linden Lab Official:User Groups - Second Life Wiki

そのオフィスアワーの一つ、Project Bento のための交流の場として用意されていた「Bento」が、Bento の正式リリースに伴い、「Content Creation」という形にリニューアルが行われました。

開催日時はこれまで通りですが、下記の点が変更になっています。

開催場所これまでのベータグリッドから、メイングリッドの Hippotropolis SIM へ変更
内容Project Bento 限定から、セカンドライフの物づくり(アバター、アニメーション、メッシュ)全般に変更

「Content Creation」へと変わったばかりの本日の議題は、下記の内容だそうです。
  • Welcome! Intro to the Content Creation group
  • Bento animations fighting with default walk animations
  • Reset Skeleton
    • How often is it needed?
    • Can it be applied more automatically?
    • Include in the "Me" menu?
  • Open Q&A
こういった分野に興味があって、時間的に参加出来そうな方は、ぜひ参加してみてください^^

なおオフィスアワーは、その分野専門の交流の場です。
一般的なサポート窓口ではありません。

会話は、基本的に全て英語で行われます。
オフィスアワーによっては、ボイスチャットで会話が行われているところもあります。

日本人にとっては、英語や時間帯的にかなり敷居が高いところがありますが…、
生のリンデンさんに直接会えて会話をすることも出来ますので、そういったことに興味がある方もぜひ参加してみてください^^
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リンデンドルの取引制限に調整が行なわれました

マネーロンダリングなどの不正な取引を防ぐため、リンデンドルの取引には上限が設けられています。

その制限に対して、2016 年 12 月 14 日、新たな調整が行なわれました。

New Adjustments to LindeX Billing & Trading Limits - secondlife


自分のアカウントにどの程度の上限が設定されているかは、「Billing and Trading Limits」のページで見ることが出来ます。

LindeX™ Exchange: Billing and Trading Limits | Second Life https://secondlife.com/my/lindex/describe-limits.php

こちらのページに記載されている制限の値が、今回調整されたそうです。

(どの程度変更されたのかは、どこにも記載が見当たらなくて分かりませんでした><)


「Resident Monthly Limits」が、セカンドライフの一般の住人に対しての取引制限額です。


色が変わっている部分は、自分のアカウントに対しての現在の制限のレベルを表しています。


“New Residents”の日付は、アカウントを作った日ではなくて、最初に取引を行なってからの日数です。

そのアカウントで初めて L$ の購入などの取引を行なってから 30 日間は、取引は厳しく制限が行なわれています。
30 日を過ぎると、Level 1 になります。

一般の住人の方は、Level 1 になっているのが通常の状態です。


このページは、セカンドライフの公式サイトにログイン後、「Lindex Exchange」にある「Manage」をクリックして開く「Billing/Trading Limits」から見ることも出来ます。




もし、“土地を購入したい”といった理由で、「この制限では足りないので、上のレベルに変更して欲しい!」という場合は、サポートチケットから取引制限の審査願いを行なうことが出来ます。

サポート案件の新規作成 | Second Life ヘルプ

  1. 「料金・お支払い(Billing)」を選択
  2. 「料金・お支払い(Billing)」の項目で、「LindeX のお支払いと取引制限の審査願い(LindeX Billing and Trading Limits Review Request)」を選択
  3. 下記の項目全てを入力します。
どのレベルに引き上げをご希望ですか?住人であれば「Level 1」や「Level 2」、企業アカウントにしたい場合は「Bussiness Owner Level 1」といった感じで指定します。
What limit are you current hitting that is causing issues?「24時間制限」「30 日間制限」どちらの制限が障害になっているかを選択します。
制限レベル審査のご依頼の理由をご記入ください“プライベート SIM の土地を購入したいため”“ビジネスで利用したいため”などの具体的な理由を記入します。

全て入力が終わったら、「送信(Submit)」ボタンを押して提出してください。
これで手続は完了です。
ただし、審査がありますので、必ずレベルを上げてもらえるとは限りません。

審査願い自体は、ベーシックアカウントでも出すことが出来ます。

Residents の Level1 になっていれば普段の生活では困ることは無いと思いますが、一応こういう方法もありますので、ご紹介しておきます^^
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LSL に新機能「llGetEnv(region_object_bonus)」「llGetObjectDetails(OBJECT_ATTACHED_SLOTS_AVAILABLE)」が追加されました

LSL(Linden Script Language)に、下記の新機能が追加されました
  • llGetEnvに「region_object_bonus」パラメータが追加
  • llGetObjectDetailsに「OBJECT_ATTACHED_SLOTS_AVAILABLE」パラメータが追加
Release Notes/Second Life Server/16 - Second Life Wiki


llGetEnv(region_object_bonus)


llGetEnv は、SIM(リージョン)の様々な情報を取得することが出来る関数です。

LlGetEnv - Second Life Wiki

今回は、SIM のオブジェクトボーナスの値を取得出来る機能(region_max_prims)が追加されました。

オブジェクトボーナスは、SIM の区画内で使えるプリム数を増やす設定です。

SIM の設定画面でのオブジェクトボーナスの値

土地情報でのオブジェクトボーナスの値(1.00 の場合は表示されません)

512sqm の土地で使えるプリム数は通常 175 ですが、オブジェクトボーナスが 2.00 に設定された SIM では 2 倍の 350 になります。
オブジェクトボーナスは 10.00 まで設定出来ますので、512sqm の土地で使えるプリム数は最大 1750 まで増やすことが出来ます。

ただし、SIM 全体でのプリム数の上限は変わりません。
SIM 内の一部の地区にプリムを集中させたい時に使う設定です。

セカンドライフでは主に、“ダブルプリム”の区画を作成するのに使われています。

そういった地域では、土地の残りプリム数の計算などを行なおうとすると、通常のプリム数の計算とは異なる計算が必要になります。

これまではオブジェクトボーナスを LSL で取得することは出来ませんでしたので、もしスクリプトで動的に計算を行いたいといった場合は、SIM 毎にオブジェクトボーナスの値をノートカードの設定ファイルなどであらかじめ個別に設定するといった必要がありました。

今回追加された「region_object_bonus」を使用すると、そういった手間が不用になります!^^/

オブジェクトボーナス 1.00 の SIM で「region_object_bonus」の値を取得した例

llGetObjectDetails(OBJECT_ATTACHED_SLOTS_AVAILABLE)


llGetObjectDetails は、オブジェクト(プリム)の情報を取得したり設定を行う関数です。

LlGetObjectDetails - Second Life Wiki

今回は、下記のパラメータが追加されました。

OBJECT_ATTACHED_SLOTS_AVAILABLEアバターの装着物の空きスロットの数を取得する機能

OBJECT_ATTACHED_SLOTS_AVAILABLE


OBJECT_ATTACHED_SLOTS_AVAILABLE を指定すると、アバターの装着物の空きスロットの数を取得出来ます。

チェック対象のものがアバターでない場合は、0 が返ります。

空きスロットを取得した例。
この場合は、29スロット空いています。

アバターへのオブジェクトの装着は、一つのアバター全体で 38 個(スロット)までという制限があります。

Limits - Second Life Wiki

この制限には、HUD や一時的な装着物(Temporary attachments)も含まれます。

※オブジェクトでは無い、レイヤーの衣類やアルファレイヤーなどは含まれません。

アバターにオブジェクトを装着することが出来る LSL はこれまでもありましたが、アバターがあといくつオブジェクトを装着可能かを取得する方法はありませんでした。

装着物の数が 38 個以上になる場合、LSL でさらに装着しようとすると、エラーが発生することなく失敗します。

“装着数の上限を超えて失敗した”ということを取得することは、LSL では出来ません。

ただし、今回の追加された OBJECT_ATTACHED_SLOTS_AVAILABLE を使うと、事前に装着物の上限を超えるかどうかを調べることが出来ます!

体験型のコンテンツで、llAttachToAvatarTemp でアイテムが確実に装着出来るかどうかを確認したい場合などに便利な機能だと思います^^


今回も、“かゆいところに手が届く”という感じの機能が追加されました。
少しずつですが、こうやって出来ることが増えていくのはいいですね^^
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2016年12月15日木曜日

Firestorm バージョン 5.0.1 のダウンロードが公式ミラーサイトからも出来るようになりました

昨日 Firestorm バージョン 5.0.1 が公開されましたが、ダウンロードしたい人が殺到してしまったため、ダウンロードが出来ない状況が発生してしまい、最終的には Firestorm の公式サイトまでアクセス過多で閲覧不能になるという状況が断続的に発生してしまいました。

それは、Firestorm のスタッフの想像をはるかに超える規模だったため対応に苦慮していたところ、なんとリンデンラボの御厚意で、リンデンラボのサーバーに Firestorm バージョン 5.0.1 のミラーサイトを置いてくれるということになったそうです。

そして今朝、そのミラーサイトが運用を開始しました。

Second Life Status - Newest Firestorm Viewer Download Issues

リンデンラボが用意した“公式”ミラーサイトからも、Firestorm 5.0.1 をダウンロードすることが出来ます。

これにより負荷が分散されることになりましたので、現在は Firestorm 公式サイトも安定した状態になりました^^


Firestorm 5.0.1 のダウンロードは、
から出来ます。

Firestorm 公式サイトのダウンロードページにある「Mirror」のリンクからも、リンデンラボが用意したミラーサイトからダウンロード出来ます。


昨日ダウンロード出来なかった方は、もう一度再挑戦してみてください^^


この措置は、バージョン 5.0.1 のダウンロードが落ち着くまでの限定的な対応だと思われます。

落ち着いたら、リンデンラボが用意したミラーサイトは無くなると思いますので、その際は今まで通り Firestorm の公式サイトからダウンロードを行なってください。


Firestorm は、Firestorm の公式サイトからのみ配布されています。

それ以外の場所での再配布は、許可されていません。
Firestorm のインストーラーなどを、Dropbox などの他のサイトなどにアップすることも避けてくださいだそうです。

公式で発表されている場所以外にもし Firestorm にあったとしても、Firestorm のスタッフはその内容の安全性は保証出来ません。
もしかすると、不正なプログラムが組み込まれていたりといったことも考えられたりしますので、そういったものはダウンロードしないようにしてください。


サードパーティー製ビュアーの配布をリンデンラボ自らが助けるというのは非常に異例なケースですが、それだけ Firestorm のシェアがセカンドライフでは大きいということの現れだと思います。

サードパーティーとのこういった良好な関係が、今後も続いていくといいですね^^
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2016年12月14日水曜日

セカンドライフビュアー Bento 対応状況(2016 年 12 月 14 日版)

本日、サードパーティー製ビュアー「Firestorm」が、バージョン 5.0.1 で Bento に対応しました。

各ビュアーでの Bento 対応状況は、下記の通りです。

公式ビュアー5.0.0 で対応
Firestorm5.0.1 で対応
Black Dragon
CatznipR11 で対応
Cool VLv1.26.20 で対応
Alchemy×
UKanDo×
Kokua×
Restrained Love×
Singularity×
2016 年 12 月 14 日現在

Bento については、詳しくは下記のページをご覧ください^^

天使になりたくて: セカンドライフ公式ビュアー バージョン 5.0.0 が公開されました
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Firestorm バージョン 5.0.1 が公開されました

Firestorm バージョン 5.0.1 (50527) が、本日公開されました。

Firestorm Update 5.0.1.52150 with BENTO! « Firestorm Viewer – The Phoenix Firestorm Project Inc.

Firestorm の公式サイトのダウンロードページからダウンロード出来ます。


今回のバージョンでは、公式ビュアーのバージョン 5.0.0 をベースとしたものになりました。
これにより、公式ビュアーの下記の要素が Firestorm にも取り込まれました。

  • アバターのスケルトンの拡張(Bento)
  • 描画の負荷の高い HUD に対して警告メッセージを表示する「HUD Complexity」
  • アウトフィットにサムネイル画像を付けられる「Visual Outfit Browser」
  • Windows での土地の動画の再生を QuickTime から VLC へ変更

などなど、公式ビュアー 4.0.7 以降の様々な改良や不具合修正が含まれています。

これにより、公式ビュアーと同等の最新の環境が Firestorm でも利用可能になりました。

詳しくは下記のページをご覧ください^^

天使になりたくて: セカンドライフ公式ビュアー バージョン 5.0.0 が公開されました
天使になりたくて: セカンドライフ公式ビュアー バージョン 4.1.2 が公開されました
天使になりたくて: セカンドライフ公式ビュアー バージョン 4.1.1 が公開されました
天使になりたくて: セカンドライフ公式ビュアー バージョン 4.0.8 が公開されました
天使になりたくて: セカンドライフ公式ビュアー バージョン 4.0.7 が公開されました

※Firestorm の方針で、公式ビュアーの機能がそのまま入っていない場合もあります


今回一番注目されている点は、「アバターのスケルトンの拡張(Bento)」への対応です。

公式ビュアーでは先日正式に Bento がサポートされましたが、ユーザーの利用率は Firestorm の方が圧倒的に多いため、“Firestorm が対応しないと本格的には利用出来ない”という状況が続いていました。

それがようやく、Firestorm でも Bento 対応ということになりましたので、これで事実上の「Bento 解禁!」となります^^/

Bento 製の製品は、Bento に対応していないビュアーでは正常に表示することが出来ません。
Firestorm をお使いの方は、今すぐアップデートしましょう!


その他、Firestorm 独自の改良や不具合修正も行なわれています。

アバターの表示設定

Firestorm では、「完全表示(Render Fully)」や「表示しない(Do Not Render)」に設定したアバターは、公式ビュアーとは違ってログアウトしても解除されません。
そのままでは誰を設定したか分かりづらいですので、世界メニューに「アバターの表示設定」が追加されました。

テクスチャーの再読み込み機能

プロフィール画像、グループの画像、インベントリのテクスチャーを画像ウインドウで表示している際に、画像を再読み込み出来るボタンが追加されました。


FPS表示(ステータスバー)

ステータスバーに、FPS 表示が追加されました。

時間表示の改良(ステータスバー)

ステータスバーの時間表示に、秒が表示されるようになりました。


RLV(Restrained Love)

RLVa が、バージョン 2.1.0 にアップデートされました。

Category:RLVa - Catznip

フォント

環境設定で変更可能なフォントに、Google Noto フォントが追加されました。

Google Noto Fonts


詳しくは、リリースノートや Inara さんのブログの記事での解説をご覧ください^^

firestorm_change_log_5.0.1.52150 [Phoenix Firestorm Project - Wiki]
Firestorm 5-0: Bento, VOB, VLC and more! | Inara Pey: Living in a Modem World

まだアップデートされていない方は、ぜひ最新版へアップデートしましょう!
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2016年12月12日月曜日

セカンドライフビュアー Bento 対応状況(2016 年 12 月 12 日版)

本日、サードパーティー製ビュアー「Catznip」が、バージョン R11 で Bento に対応しました。

各ビュアーでの Bento 対応状況は、下記の通りです。

公式ビュアー5.0.0 で対応
Black Dragonただしビュアー自体は、バージョン 2.5 で開発終了予定。
CatznipR11 で対応
Cool VLv1.26.20 で対応
Firestorm現在対応中。開発者向けにアルファ版が限定公開。一般向けのベータ版は近日公開予定。
Alchemy×
UKanDo×
Kokua×
Restrained Love×
Singularity×
2016 年 12 月 12 日現在

Bento については、詳しくは下記のページをご覧ください^^

天使になりたくて: セカンドライフ公式ビュアー バージョン 5.0.0 が公開されました
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2016年12月11日日曜日

セカンドライフの Web サイトでの最近の更新内容が紹介されました

セカンドライフの Web サイトでの最近の更新内容が、公式ブログで紹介されました。

12.05.16 - Recent Updates to Web & Marketplace - secondlife

11 月 3 日大規模なインフラの更新、セキュリティ修正とマイナーなバグ修正
11 月 4 日マイナーなセキュリティ修正
11 月 8 日マップ(maps.secondlife.com)の不具合修正
11 月 9 日いくつかの不具合を修正するため、インフラの整備
11 月 21 日リンデンラボのサイト「lindenlab.com」の内容の更新
11 月 22 日slurl.com へのアクセスは全て http://maps.secondlife.com/ へ移動するように変更
11 月 28 日新しいグリッドステータス「status.secondlifegrid.net」オープン
12 月 1 日マップへのアクセスが多い場合に地図が消えてしまう不具合を修正

セカンドライフのビュアーやサーバーだけでなくて、Web サイトの方も日々様々な改良が行なわれているそうです。


この中でわたしが一番気になったところは、

slurl.com へのアクセスは全て
http://maps.secondlife.com/ へ移動するように変更

という部分です。

セカンドライフの場所は“SLURL”で表記する

というのは今も概念としては変わっていないと思いますが、その由来である「slurl.com」が無くなってしまったというのは、昔からセカンドライフをやっている人にとっては、結構衝撃的な内容では無いでしょうか@@

もちろん最近は、URL 自体は maps.secondlife.com という表記に変わっていましたので、いつかは統合されていくのかなという気もしてはいたのですが…、
こうして、“無くなりました”というのを明確に見てしまうと、なんだか寂しさを感じてしまいますね。

でも、最近の人から見たら、

地図なので maps.secondlife.com

という感じだと思いますので、それはそれでいいのかな?^^


Web の方も、どんどんいい感じに改良していって欲しいですね。
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スキルゲームの開発者/運営者の募集が再開されます

セカンドライフでは、カジノや宝くじのような“運”が勝敗を左右する「ギャンブル」は 2007 年 7 月以降全面的に禁止されています。

ギャンブルは禁止されましたが、お金は賭けるものの、ユーザーの技能で勝敗を勝ち取ることが出来る「スキルゲーム」は、グレーゾーンとして残り続けました。

スキルゲームの代表的なゲーム機は、Zingo です。
昔からセカンドライフをされている方であれば、見たことがある!という方も多いと思います。

しかし、スキルゲームもお金を賭けるゲームであるため、現実世界の地域によっては禁止されています。

そこでリンデンラボは、2014 年にスキルゲームが出来る環境を制限する施策を導入しました。

Coming Soon: Skill Gaming in Second Life - Second Life

  • スキルゲームの開発者や運営者は、リンデンラボへ届け出が必要(ただし受付期間は限定)
  • スキルゲームの運営には専用の「Skill Gaming Region」の購入と、スキルゲーム専用のアカウントが必要
  • Skill Gaming Region 以外でのスキルゲームの運用は、アカウント停止などの措置を行なう
  • スキルゲームが許可されている地域からのみアクセス可能
  • スキルゲームの SIM は、19 歳以上の支払い情報がある人のみ、セカンドライフのアカウントで入場可能
スキルゲームの環境をアダルト大陸のように別の場所へ移して、セカンドライフへの接続もリアルの法律に沿って制限するという、かなり厳しい内容のものです。

このプログラムに応募して参入した人々が、現在スキルゲームを運用しています。

Skill Gaming Regions | Second Life


スキルゲームへの参入は、プログラムが開始された際に期間限定で受付が行なわれただけで、現在は新たに参入することは出来ません。

それが今回、新たに募集が再開されることが公式ブログで発表されました。

Second Life Skill Gaming Applications Will Reopen on January 3rd, 2017 - secondlife

受付開始は、2017 年 1 月 3 日からです。

詳しい情報は、FAQ のページに掲載されるそうです。


ただし日本では、ギャンブルはもちろん、お金を賭けるタイプのスキルゲームも法律では許可されていません。

お金を賭けること自体が法律で禁止されていますので…

海外のサーバーにあるものを遊ぶ場合も、“一般論として、法律違反に問われることがある”という政府の公式見解が出ているそうです。

一 日本国内から、インターネットを通じて、海外で開設されたインターネットのオンラインカジノに参加したり、インターネットで中継されている海外のカジノに参加することは、国内のインターネットカジノ店において参加する場合だけでなく、国内の自宅からインターネットを通じて参加する場合であっても、刑法第百八十五条の賭博罪に該当するという理解でよいか。
二 上記一の「日本に所在する者」にサービスを提供した者には、国内犯が適用されるか。すなわち、海外にサーバを置いて賭博サービスを提供する業者にも、賭博開帳罪(同法第百八十六条第二項)が成立し得るという理解でよいか。
三 賭博罪の成立要件とされる必要的共犯に関して、共犯者の片方(賭博に参加する者)が国内、もう片方(賭博開帳者)が国外に所在する場合に共犯関係は成立し得るのか。片方を罰する事が出来ない(非可罰的な)状態にあっても、両者による共犯関係を立証することが出来ればもう片方の者の罪は成立し得るのか。

賭博罪及び富くじ罪に関する質問主意書
一から三までについて
犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断すべき事柄であることから、政府として、お答えすることは差し控えるが、一般論としては、賭博行為の一部が日本国内において行われた場合、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条の賭博罪が成立することがあるものと考えられ、また、賭博場開張行為の一部が日本国内において行われた場合、同法第百八十六条第二項の賭博開張図利罪が成立することがあるものと考えられる。
衆議院議員階猛君提出賭博罪及び富くじ罪に関する質問に対する答弁書

ファイナルアンサー: オンライン賭博は違法である(木曽崇) - 個人 - Yahoo!ニュース

厳密には、
  • お金を賭けるタイプのスキルゲームを運用すること
  • お金を賭けるタイプのスキルゲームを遊ぶこと
いずれも日本国内ではアウトになってしまうそうですので、その辺は注意をしてください。

この辺は、昔はグレーゾーンと思われていた部分もあったところでしたけれど、現実世界の対応もようやく追いついてきたという感じですね。

最近は「カジノ法案」のニュースが話題になっていますけれど、こちらはオンラインカジノとは関係がありませんので、これが成立したからといってスキルゲームが遊べるようになる訳では無いそうです。


出来ないのに紹介したらダメじゃん…って思われるかも知れないですけれど、出来ないことを知らないでうっかりやってしまったということもあるかもしれませんので、念のために注意喚起としてご紹介しました。
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プライベート SIM の最大プリム数を 30000 にするオプションの受付が開始されました

2016 年 12 月 8 日、プライベート SIM の最大プリム数を 30000 にするオプションの受付が開始されました。

Upgrade Your Full Private Region to 30,000 Land Impact Today! - secondlife

このオプションが適用出来るのは、フルリージョンのプライベート SIM のみです。

また、下記の費用が追加で掛かります。

初期費用/ダウングレード費用1 SIM 毎に 1回 US$30
維持費(月額)+US$30

これにより、フルリージョンのプライベート SIM のプリム数と価格は、下記のようになりました。

20000 プリム30000 プリム(+US$30)
割引価格の SIM(Grandfathered/Bought Down)US$195$225
通常US$295$325
スキルゲーミングUS$345$375
教育・非商用US$147.50$177.50

オプションの申し込みは、サポートチケットで行なう必要があります。

サポート案件の新規作成 | Second Life ヘルプ


  1. 「どのようなことでおこまりですか?(What type of problem are you having?)」の項目で「土地とリージョン(Land & Region)」を選択します。
  2. 「土地とリージョン(Land & Region)」の項目で、「Land Impact Change Request」を選択します。
  3. 下記の項目全てを入力します。
リージョン名(Region Name(s))プリム数を変更したい SIM 名。変更したい SIM が複数ある場合は、すべて記入します。
Would you like to increase or decrease your Land Impact?プリム数を 30000 プリムへ増加(Increase to 30,000)させるか、元の 20000 プリムに戻すか(Decrease to 20,000)を選択します。
I accept the land impact change Fee of US$30 per region.“わたしは 1 SIM 毎に US$30 の手数料がかかることを受け入れます”という確認です。
Please provide us with any other information that may be necessary to complete your land impact change request in a timely manner.変更したい日時などの追加情報があればここに記入してください。

全て入力が終わったら、「送信(Submit)」ボタンを押して提出してください。
リンデンさんの処理が終わったら、SIM のプリム数が増えているはずです。

これで、30000 プリムという今までの倍のプリム数の世界がやってきます。
ここから、どんな世界がわたしたちの前に現れるんでしょうね^^
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セカンドライフ公式ビュアー バージョン 5.0.0 が公開されました

2016 年 12 月 6 日、セカンドライフ公式ビュアー バージョン  5.0.0 (321958) が公開されました。

セカンドライフ公式サイトのダウンロードページからダウンロード出来ます。

Downloads | Second Life

今回のバージョンでは、Project Bento Viewer の内容が公式ビュアーに取り込まれました。

Release Notes/Second Life Release/5.0.0.321958 - Second Life Wiki


“Project Bento”は、アバターのスケルトン(骨格)を拡張するプロジェクトです。

Project Bento Live on the Grid! - secondlife

Enhanced Skeleton (Project Bento) - Second Life



セカンドライフのアバターは、下記のように進化してきました。

2011 年 4 月Avatar Physics胸やお尻を揺らす機能
2011 年 7 月Rigged Mesh身体に沿って衣装を着ることが出来る機能
2012 年 6 月Server Side Appearance衣類のテクスチャーをまとめて表示を高速化する機能
2014 年 2 月Fitted Mesh体形に合わせて衣装のサイズを可変することが出来る機能
2015 年 3 月Hover Control立っている高さを補正する機能

これまでの改良は、既存のアバターの基本構造であるスケルトンはそのままで…という感じだったのですが、今回はその基本構造にメスが入り、根本的でかつ大幅な拡張が行なわれました。


セカンドライフのアバターは、「ボーン」と呼ばれる人間の骨に該当する概念を持つオブジェクトを複数構成して作られた「スケルトン(骨格)」を動かして、アバターのボディーを変形させることで、歩いたり踊ったりといった動きを表現しています。

セカンドライフのボーンは、これまでは全身で 26 個ありました。

Bento 導入以前のアバターのボーン

これらのボーンは、人型のキャラクターを想定したものでした。


しかしセカンドライフのユーザーの間では、人型以外の形状のアバターも作りたいと思う人も多くて、ケモノなどの人型以外の様々なアバターが作られています。

そんなアバターの中には、標準のボーンでは動かす部分が足りないということで、“装着ポイントをボーンの代わりに利用する”という裏技を使って疑似的にボーンの数を増やすことで、複雑な動きを持ったアバターを実現しているものもありました。

ところが昨年、サーバー側でのアニメーションファイルの整合性チェックが強化された際に、この装着ポイントを使った裏技が使用出来なくなってしまいました。

リンデンラボとしてはそれを仕様にしたいと思っていたそうですが、そのままでは、これまでユーザーの間で作られてきた人型以外のアバターが今後作成出来なくなってしまうということで、ユーザーからは大きな反発が起きてしまいます。

[#BUG-10543] Mesh validation should permit rigging to attach points - Second Life Bug Tracker

そこでリンデンラボは、セカンドライフでのアバターの利用状況の調査を行ない、その結果、昨年末に発表したのが“Project Bento”です。

Introducing Project Bento - New Bones Added to Sec... - Second Life


Bento ではアバターのスケルトンを、これまでの人型限定のスケルトンから、様々なアバターに対応出来る形のスケルトンに変更が行われました。

その結果、ボーンの総数は 133 個まで増えました。

Bento でのアバターのボーン

ビュアーでの Bento のボーンの表示
(「開発メニュー」−「アバター」−「骨を表示」)

従来の基本ボーン 26 個はそのままで、新しいボーンが 107 個追加されています。

Bento で追加されたのは、下記のボーンです。

301本の指に3つのボーン×両手 10 本
頭、顔46
背骨4
羽根11
後ろ足9
尻尾6
足の付け根1
合計107

また、装着ポイントも 15 ヶ所追加されています。

Project Bento Skeleton Guide - Second Life Wiki
(2016 年 12 月 11 日現在、Wiki の内容は古い情報が混在してて間違っている個所があります)

これにより、人型のアバターはもちろん、動物や空想上の生き物など、様々なアバターが公式の機能で作成出来るようになりました。




これは、セカンドライフの歴史上、最大の進化です!^^/


Bento では、人型のアバターにも大きなメリットがあります。
それは、アバターの顔と手にボーンが入ったという点です。





セカンドライフのクラシックアバターの顔や手、ボイスチャット時の口の動き(リップシンク)は、これまでは“モーフィング(モーフ)”という手法でアニメーションが行われていました。

モーフィングは、あらかじめ用意された変化前と変化後の形状のメッシュの間を、頂点を移動させることでアニメーションさせる手法です。
セカンドライフでは、アバターの顔や手にモーフ用のアニメーションがあらかじめ“エモート”という形で用意されていて、それを通して状態を変化させることが出来ます。

クラシックアバターでの顔の表情のエモート

しかし、エモートでのアニメーションでは、顔や指の細かい表現を行なうことは出来ません。
また、モーフィングはクラシックアバター専用の機能で、メッシュ製のボディーには効果はありません。

そこで Bento では、顔や指の部分にボーンが追加され、メッシュ製のヘッドや手でも細かい動きの表現が自由に出来るようになりました。




また、追加されたボーンは容姿のスライダーにも(ほぼ)対応していますので、メッシュヘッドをシェイプに合わせて調整することが出来るようになりました。


Bento 対応のメッシュヘッドであれば、クラシックアバターのように、シェイプの調整で個性のある“違う顔”を作ることが出来ます!

クラシックアバターで表現可能なことがメッシュアバターでも出来るようになった!という点が、Bento の最大の特徴です。


もちろんこれらのボーンは、特定の目的専用のものという訳ではありません。

アバターの動きに必要のない余ったボーンを使って、衣装の動きやアバターの周りを飛び回るペットのようなものを、“ボーンアニメーション”を応用して作ることも出来ます。


アバターの可能性を大きく広げる可能性を持った新しい機能が、Bento です^^


Bento 対応のメッシュは、これまでの Rigged Mesh や Fitted Mesh と同様の方法で作ることが出来ます。

Bento 用のスケルトンファイルは、Second Life Wiki で配布が行われています。

Project Bento Testing - Second Life Wiki

現在は、
  • Collada
  • Maya(ma)
  • fbx
  • 3ds Max(max)
のファイルが用意されています。

ボーンの数が増えているだけで、Bento 対応の製品を作るために特別なソフトや機能は必要ありません。
素の Blender でも作成することが出来ます。

ただ、Bento ではボーンの数がものすごいことになっていますので、Avastar や MayaStar などを使われた方が作りやすいと思います^^

Avastar  : Machinimatrix
(Bento 対応の Avastar 2.0 は、現在アルファ版です)

Second Life Marketplace - MayaStar Liquid Mesh Templates


Bento 対応のアニメーションは、Bento のスケルトンに対応したアニメーションツールを使う必要があります。

セカンドライフのアニメーション作成で一般的に使われている「QAvimator」は、現在のところ Bento のスケルトンには対応していません。

QAvimator

現時点では、Bento のスケルトンファイルを扱うことが出来る Blender などの 3D ソフトで、Bento 対応のアニメーションを作成することが出来ます。
これらのソフトでは、これまでと同様の方法で Bento のボーンにアニメーションを付けることが出来ます。

アニメーションファイルは、Bento でもこれまで同様、BVH 形式または ANIM 形式に対応しています。

Bento ではボーンの数が増えていますので、アニメーションファイルのファイルサイズの制限は、これまでの 120KB から 250KB に緩和されています。

このファイルサイズは、セカンドライフでのアニメーションの内部フォーマット ANIM 形式に変換された際のものです。


ただし、ボーンを動かす処理は、3DCG では非常に重い処理になります。

そのため、Bento でボーンが増えたとは言っても、たくさんのボーンを同時に動かしてしまうとビュアーでの描画は重くなってしまいますので、その辺は注意が必要です。


現在のセカンドライフのアバターは全て、Bento によってスケルトンが拡張された状態になっています。

ただ、現在のクラシックアバターは Bento に対応した構造にはなっていませんので、そのままでは Bento で拡張されたボーンを利用することは出来ません。

Bento で拡張されたボーンは、Bento 対応製品でのみ使用することが出来ます。

Bento 非対応アニメBento 対応アニメ
クラシックアバター基本ボーンのみ基本ボーンのみ
クラシックアバター+Bento 対応製品基本ボーンのみクラシックアバター:基本ボーンのみ
Bento 対応製品:拡張ボーンまで
Bento 非対応メッシュアバター基本ボーンのみ基本ボーンのみ
Bento 非対応メッシュアバター+Bento 対応製品基本ボーンのみクラシックアバター:基本ボーンのみ
Bento 対応製品:拡張ボーンまで
Bento 対応メッシュアバター基本ボーンのみ拡張ボーンまで

一つのアバターで、Bento 対応製品と Bento 非対応製品を混在して使用することは出来ます。


Bento 対応製品は、通常の製品と同じように装着することで利用出来ます。
Bento 対応のビュアーであれば、ビュアーの設定などは必要ありません。

各ビュアーでの Bento 対応状況は、下記の通りです。

公式ビュアー
Black Dragonただしビュアー自体は、バージョン 2.5 で開発終了予定。
Cool VL
Firestorm現在対応中。開発者向けにアルファ版が限定公開。一般向けのベータ版は近日公開予定。
Alchemy×
UKanDo×
Kokua×
Catznip×
Restrained Love×
Singularity×
2016 年 12 月 11 日現在

Bento に対応していないビュアーでは、Bento 製品は正しく表示することは出来ません。
これは、Rigged Mesh が導入された時と同じような状況です。

セカンドライフで最も利用者が多いビュアーである Firestorm はまだ Bento には対応していませんので、現時点ではまだ、誰もが Bento のアバターを見れる状態にはなっていません。

Firestorm が Bento に対応したタイミングが、Bento の製品を常用しても大丈夫なタイミングになると思われます。

Firstrom での Bento 対応は、12 月 11 日の週または 18 日の週になるという話があります。
遅くとも今月中には Firestorm でも Bento が一般の人も利用可能になる感じのようですので、普段使いをされたいという方は、それまで待たれた方がいいと思います。

逆にお店の方は、それまでに Bento 対応を進めていく感じになると思います^^


Bento 対応ビュアーで Bento 対応の製品が正しく表示されない場合は、アバターを右クリックして出てくるメニューから「スケルトンをリセット」または「Reset Skeleton And Animations」を選択してください。


そうすると、ボーンやアニメーションの状態がリセットされて、正しく表示されるようになるはずです。


Bento で、セカンドライフのアバターは大きく進化しました。

メッシュアバターを購入しないと Bento の機能が最大限活用出来ないところはハードルが高いですけれど…、

他のゲームと比べても遜色ないアバターがセカンドライフでも利用出来るようになったというだけではなくて、顔や指などでの細かい表現を駆使することで、セカンドライフを本格的な映像制作のツールとして使うといった可能性を広げたところなど、素晴らしい魅力が満載だと思います。

ここまでセカンドライフで出来てしまうと、「もうサンサールはいらないんじゃない?」っと思ってしまいますけれどw、サンサールはこれ以上のことが出来るかもしれないですので、それはそれとして楽しみにしながら、セカンドライフでは Bento で楽しんでいきましょう!^^


バージョン 5.0.0 では、インスタントメッセージ(IM)でオフラインのユーザーにメッセージやオブジェクトを送信した際の下記のメッセージが日本語化されました。

「ユーザーがオンラインでありません - メッセージは保存され、後で配信されます。」
「ユーザーがオンラインでありません - インベントリが保存されました。」
Bento の翻訳作業が行なわれる際に、この部分も一緒に翻訳されたようです。

lindenlab / viewer-release   / コミット / 06d327a9f0aa — Bitbucket

日本語に対しても、こういった改善が行なわれているのはいいことですね^^


2017/2/7 日本語へのローカライズの情報を追加しました
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2016年12月2日金曜日

セカンドライフのサービスの状況をお知らせする「Grid Status」がリニューアルされました

セカンドライフのサービスの状況をお知らせする「Grid Status」が、2016 年 11 月 29 日リニューアルされました。

Second Life Status

これまでの「Grid Status」は、公式ブログの一つという形で運用が行われていましたが、今回、「Grid Status」専用のサイトとして全く新しい形で生まれ変わりました。


サイトを開くとまず目に飛び込んでくるのが、現在の各サービスの状況が一覧の形で表示されている部分です。


現在は、下記のサービスの状況が分かるようになっています。
  • SecondLife Regions
  • Websites
  • Second Life Services
  • Inworld Services
  • External Support
各サービスのところにある「+」の表示をクリックすることで、そのサービス内にある各機能の状況も詳しく見ることが出来ます。


緑色の「Operational」という表示は、そのサービスが正常に運用されている状態を表しています。

メンテナンスや障害の際は、この部分の表示が変わります。
“メンテナンス中”の際は、水色の「Under Maintenance」という表示になります。


メンテナンスの予定や現在進行中の内容の詳細は、サービスの状況一覧の上に表示されます。


この部分は、今までに無かった全く新しい機能です。
現在のセカンドライフの状況が一目で分かりますので、すごくいい改善だと思います^^


障害の際の状況報告などは、サービスの状況一覧の下にある「Past Insidents」という部分に表示されます。


この辺は、以前のブログ形式のものと同様の内容になっています。


Grid Status が更新された際に通知欲しいという方は、サイトの右上にある「SUBSCRIBE TO UPDATES」ボタンから RSS フィードなどを通して更新情報を取得することが出来ます。


Twitter では、「@SLGridStatus」のアカウントで Grid Status の更新情報をチェックすることが出来ますので、こちらのアカウントをフォローされることをお勧めします。



ちなみに、今回のサイトの仕組みはリンデンラボで独自に開発したものでは無くて、Atlassian 社の「StatusPage」という製品を使用しているようです。

StatusPage | Atlassian

こういった製品を使うことで、より分かりやすい形で伝えようとしているのだと思われます^^
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